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📚 勉強のやり方

計画が続かないのは意志ではなく、作り方の問題です

2026年8月11日

「計画を立てたのに続かなかった」。よく聞きます。 そして本人はたいてい、自分の意志が弱いせいだと思っています

私の見立ては違います。作り方の問題です。

生徒が自分で作る計画は、やっぱり杜撰というか、一時的なものが多い。 その場の勢いで書いたので、勢いが切れたら終わる。 だから私は、計画の作り方から教えます。以下は自分なりのやり方です。

1. ゴールから逆算する

多くの計画は「今日から何をするか」から書き始めます。 これだと、行き先が決まっていないまま歩き出すことになります。

順番を逆にします。

逆算すると、今日やることが自動的に決まります。 そして、決めた量が明らかに無理なら、 その時点で無理だと分かります。これも大事です。 始める前に破綻が見えるので、ゴールか期間を直せます。

逆算の前に、「達成したときの自分」を具体的に想像する

ただ、逆算を始める前に、ひとつだけ先にやることがあります。 それを達成したとき、自分はどういう状態になっているのか。 その未来を具体的に想像することです。 ここが曖昧なままだと、逆算しているつもりで、 思いついた手段を並べただけのものになります。

部活で説明します。「次の大会で勝ちたい」。 ここで、いきなり技術の練習に走る人が多い。 でもその前に、勝っている自分はどういう状態か、を想像します。

「最後までバテずに戦えている」。そう出てきたなら、 先に要るのは技術ではなく体力です。 もう一段、具体的にします。 「10kmを40分(1km 4分ペース)で走れる、陸上部並みの走力を身につけたい」。 ここまで来て、はじめて逆算できる形になります。

とはいえ、今すぐ毎日10kmは走れません。だから手前に置いていきます。

最終的に、毎日10kmを余裕で走れる

↑ そのために

1ヶ月前には、5kmを余裕で走れている

↑ そのために

そのさらに1週間前には、1.5〜3kmは走れている

↑ そのために

じゃあ今は、まず何km走れないといけないのか?

ここまで下りてくると、今日やることが勝手に出てきます。

大事なのは、この3つが「なぜそれをやるのか」まで一緒に出てきていることです。 フォームを調べるのは、同じ距離を楽に走れるようにするため。 坂道を選ぶのは、短い距離で心臓に効かせるため。 だから、うまくいかなければそこだけ差し替えられます。

勉強も同じです。 「なんで今このワークを解いているのか」「この問題を解くと何が手に入るのか」。 それが分からないまま、ただなんとなく解いていても、力になりにくい。 ページは進みますが、進んだぶんだけ強くなっているかは別の話です。

逆算は、この「なんで」を全部の作業に自動で付けてくれる手順でもあります。

2. 背景 → 目的 → 手段 に小分けする

続かない計画は、たいてい手段しか書いてありません

「毎日ワークを10ページ」。これは手段です。 3日目に疲れたとき、なぜやっているのかが手元に無いので、やめる理由に勝てません。

私は3つに分けて書かせます。

中身
背景いま何が起きているのか 関数の応用でいつも崩れる
目的どうなりたいのか 初見の応用でも、式を立てられるようにする
手段そのために何をするか 1日3問。解いたあとに理由を口で言う

分ける理由は2つあります。

ここが実は一番効きます。 手段しか書いていない計画は、手段が崩れると計画ごと消えます。 背景と目的が書いてあれば、手段を1つ差し替えるだけで続きます。

やってみると分かること

この形で書くと、計画は短くなります。 1週間ぶんの色分けされた表ではなく、3行になる。

そして3行のほうが続きます。 計画を作ることが目的になっていないからです。

図にすると、抜けているところが見えます

言葉だけだと伝わりにくいので、図にします。 続かない計画と、続く計画のちがいはこれだけです。

続かない計画 手段 毎日ワーク10ページ 3日目に疲れる → やめる理由に勝てない → 計画ごと消える 続く計画 背景 関数の応用でいつも崩れる 目的 初見の応用でも式を立てられる 手段 1日3問。解いたら理由を口で言う 手段が崩れても → 手段だけ差し替えて続く

左は、手段しか持っていません。だから手段が折れると、全部なくなります。
右は、上に2段あります。だからいちばん下だけ取り替えれば済みます。

ゴールから逆算する、を図にすると

ゴール(10月) 数検3級に受かる その1つ手前(9月) 過去問で6割とれる さらに手前(8月) 中2の範囲を終わらせる 今日やること 連立方程式を3問 ← ここまで来て、はじめて「今日やること」が決まる

右から左へたどると、今日やることが自動的に出てきます。 そして、8月に中2の範囲が終わらないと分かったら、その時点で気づけます。 ゴールを下げるか、期間を延ばすか、手段を増やすか。始める前に決められます。

目標は「点」ではなく「日付つきの状態」で書く

よくある目標はこうです。

どちらも良い目標です。日付があって、達成したかどうかが後で分かるからです。 「数学をがんばる」はこれがありません。

ただ、これはゴールであって、今日やることではありません。 ここを1本の線でつなぐのが逆算です。

例1例2
ゴール(いつ・何が)11月の期末で数学70点10月に数検3級
その手前関数の応用で式が立つ過去問で6割
今日関数の応用を3問。理由を口で言う1次関数の計算を10問

部活や筋トレでは、みんな当たり前にやっています

この話、勉強だと難しく聞こえるのに、部活だと誰でもやっています。

「次の大会で勝ちたい」(ゴール)

↓ そのためには?

「後半でバテない体を作る」(目的)

↓ そのためには?

「今日は3km走る」(手段)

誰も、いきなり「毎日ダッシュ100本」から始めません。 何のために走るのかが先にあって、そこから今日のメニューが決まります。 そしてバテる原因が体力ではなく技術だと分かれば、 走るのをやめて、そっちに変えます。目的は変わらないまま、手段だけ差し替わる。

筋トレも同じです。「ベンチプレスを100kg挙げたい」(ゴール)→ 「胸と腕の筋肉を増やす」(目的)→「今日は70kgを8回×3セット」(手段)。 そして伸びが止まったら、重さではなく回数やフォームを変えます。

勉強だけ、なぜかいきなり「毎日ワーク10ページ」(手段)から始めます。 部活で言えば、何の大会に出るかも決めずに走り出しているのと同じです。 3日でやめてしまうのは、意志が弱いからではありません。

この記事の要点

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