「排出率1%だから、100連引けば出るでしょ」
この考え方は間違っています。排出率1%のガチャを100連引いて出る確率は 63.4%。つまり3人に1人以上は、100連しても出ません。
この記事では、ガチャの確率の正しい計算方法を書きます。式だけでは実感が湧かないので、10万人ぶんを実際にシミュレーションした数字と、300円/連で計算した金額も一緒に示します。
🎰 1万人ガチャシミュレータで試す(排出率・天井を変えて即計算)排出率 p のガチャを n 回引いて、1回以上出る確率は次の式で出ます。
1 − (1 − p)n
考え方は単純です。(1 − p) は1回引いて外れる確率。それを n 回続けて全部外す確率が (1 − p)n。1回でも当たる確率は、その裏返しなので 1 から引きます。
排出率1%(p = 0.01)で計算するとこうなります。
| 引いた回数 | 1回以上出る確率 | 300円/連での金額 |
|---|---|---|
| 10連 | 9.6% | 3,000円 |
| 50連 | 39.5% | 15,000円 |
| 100連 | 63.4% | 30,000円 |
| 200連 | 86.6% | 60,000円 |
| 300連 | 95.1% | 90,000円 |
| 459連 | 99.0% | 137,700円 |
覚えておくと便利な区切りが3つあります。排出率1%の場合、
「確率は何回引いても100%にはならない」というのは、こういうことです。459連(13.7万円)引いても、1%の人は手ぶらで終わります。
排出率1%のガチャは「平均100連で出る」と言われます。これは正しい数字です。実際に10万人ぶん回してみると、平均は99.9連でした。
ただし、この「平均」を自分の目安にしてはいけません。同じ10万人の結果を、別の角度から見るとこうなります。
| 指標 | 実測値 | 300円/連 |
|---|---|---|
| 運のいい上位10% | 11連 | 3,300円 |
| 中央値(ちょうど真ん中の人) | 69連 | 20,700円 |
| 平均 | 99.9連 | 29,970円 |
| 不運な下位10% | 229連 | 68,700円 |
| 悲劇の1% | 456連 | 136,800円 |
| 10万人中いちばん不運だった人 | 1,145連 | 343,500円 |
注目してほしいのは、平均(99.9連)と中央値(69連)が30連もずれていることです。
実際に数えたところ、10万人のうち 63.4% は、平均より前に出ていました。つまり「平均以下で出る人」のほうが多数派です。
ではなぜ平均が100連まで押し上がるのか。ごく一部の、極端に出ない人が引き上げているからです。1,145連まで出なかった人が1人いるだけで、平均はじわりと上がります。
平均は「みんなの体験の代表」ではなく、少数の悲劇を全員で割り算した数字です。
これは所得の話とまったく同じ構造です。平均年収より中央値のほうが低いのと、理由は同じです。極端な値が片側にあると、平均はそちらへ引っ張られる。
だから、自分の予算を考えるときに見るべきは平均ではありません。中央値(69連=2万円)で「半分の人はここまで」、下位10%(229連=6.9万円)で「10人に1人はここまで来る」と考えるほうが実態に合っています。
🎰 排出率を変えて、10万人の分布を実際に見る実測から、こういう数字が出ました。排出率1%・天井なしの場合です。
200連は6万円です。これが8人に1人の頻度で起きます。
ここが大事なところです。この人たちは特別に運が悪いわけではありません。確率的に必ず一定数発生する、想定内の人たちです。1万人が引けば、1,330人はこうなります。
「自分は引きが悪い」と感じている人の多くは、実際には引きが悪いのではなく、この13%に入っただけです。そして次に引くときの確率は、それまで何連外したかとは一切関係なく、また1%に戻ります。ガチャは前回の結果を覚えていません。
同じ排出率1%に、200連の天井(保証)を付けるとどうなるか。10万人で比較しました。
| 天井なし | 天井200連あり | |
|---|---|---|
| 平均 | 99.9連 | 86.4連 |
| 中央値 | 69連 | 69連(変わらず) |
| 悲劇の1% | 456連 | 200連 |
| 最悪の人 | 1,145連 | 200連 |
見てのとおり、中央値はまったく変わりません。半分の人にとって、天井は存在しないのと同じです(69連で出るので、200連には届かない)。
天井が効いているのは右端だけです。456連や1,145連といった悲劇を、200連で強制的に打ち切る。実測では13.5%の人が天井に到達しました。
言い換えると、天井とは「運が悪い人の被害額に上限を設ける保険」です。平均が下がるのはその副産物にすぎません。
だから、ガチャを引く前に見るべき数字は排出率だけではありません。天井の有無と、その連数です。天井200連・300円/連なら、最悪でも6万円で必ず手に入ると分かる。この「最悪いくら」が事前に分かるかどうかが、天井の本質的な価値です。
参考までに、排出率3%で同じことをやりました。
| 指標 | 1% | 3% |
|---|---|---|
| 平均 | 99.9連 | 33.5連 |
| 中央値 | 69連 | 23連 |
| 不運な下位10% | 229連 | 77連 |
| 悲劇の1% | 456連 | 153連 |
排出率が3倍になると、必要な連数はおおむね3分の1になります。平均も中央値も悲劇も、ほぼ同じ比率で縮むのが分かります。
電卓でも計算できます。排出率1.5%で150連なら、1 − 0.985150 です。
ただ、指数計算を毎回やるのは面倒ですし、平均・中央値・下位10%といった分布までは式では見えません。そこで、排出率・天井・単価を入力すると1万人が同時に引いた結果を出すものを作りました。
スライダーを動かすとその場で再計算されます。天井を0(なし)にすると、右側の裾がどこまで伸びるかが目で見えるので、天井のありがたみが一番よく分かります。計算はすべてブラウザの中で行われ、どこにも送信されません。
🎰 1万人ガチャシミュレータを開く(登録不要・ブラウザで完結)1 − (1 − p)n。排出率1%・100連で 63.4%※数値は、公開しているシミュレーターと同じロジック(毎回独立に判定し、天井に達したら確定)を10万人ぶん試行した実測値です。 乱数の種を固定して再現可能な形で計算しています。実在のゲームの確率仕様とは無関係の一般的なモデルです。 金額は1連300円として計算しました。ガチャはエンタメです。課金は計画的に。