数字は何桁まで、場所は何手まで覚えられるか。この記憶力テストは、3つの課題であなたの記憶のスパンを測ります。3課題にはそれぞれ元になっている心理学の課題があります。①順唱は、数字が1つずつ出て出た順に答えるもので、数唱スパン(forward digit span)にあたります。②逆唱は、同じように出た数字を逆から答えるもので、逆唱スパンと呼ばれ、ワーキングメモリの中核を測る課題とされています。③場所は、マスが順に光るのを見て同じ順にタップするもので、視空間スパンを測るCorsiブロック課題にあたります。すべて端末内で動作し、結果はどこにも送信しません。外部ライブラリも使っていません。
出題は長さ3から始まります。正解したら1つ長くなり、間違えたら1つ短くなる。同じ長さで2回落ちたら、その課題は終了です。この方式なので、誰でも必ず最後は間違えることになります。そこがその人の限界だという考え方です。加えて、1課題あたり9回という回数の上限を入れてあります。これは、メモを取るなどして落ち続けない人でもテストが必ず終わるようにするためのものです。この上限がないと、正解し続けるかぎり永久に終わりません。実装当初はこれに気づいておらず、ブラウザで自動プレイさせてみて発覚しました。
素点は、順唱×1.0 + 逆唱×1.4 + 場所×1.2 で計算しています。逆唱を重く見ているのは、ワーキングメモリの中核だからです。基準としては「順唱7・逆唱5・場所5」を偏差値50の位置に置きました。順唱の7±2はMiller (1956) の古典的な指摘によるもので、逆唱5前後・視空間5前後は一般的に言われている目安です。ただしこれは全国規模の調査にもとづく値ではなく、あくまでこのテストの採点モデルによる擬似値です(画面にもそう明記しています)。上下は25〜80で頭打ちにしてあります。
結果画面では、3課題の偏りから読み方を返します。順唱は高いのに逆唱が3以上低い場合は、覚える力よりも「頭の中で並べ替える力」のほうが弱いということです。場所だけが2以上高い場合は、覚えたいものを部屋の風景に置いていく記憶術(場所法)が向いています。逆に言語系だけが2以上高い場合は、図で見るより声に出したほうが記憶に残るタイプです。ロジックは memory.test.js で32件のテストにかけていて、決定論性・出題の性質・逆唱の正解・階段法・偏差値・称号を検査しています。階段法については特に、「正解し続けても必ず終わる」「正解と誤答が混ざっても必ず終わる」「上限・下限を割らない」「元の状態を書き換えない」の4点を確かめています。
健康な成人の目安は、順唱7前後・逆唱5前後・場所5前後とされています。 順唱と逆唱の差が大きい人は、覚える力より「頭の中で操作する力」のほうが弱いということです。 買い物メモを見ずに回れるかどうかは、じつは順唱よりこちらが効きます。
逆に場所だけ高い人は、覚えたいものを部屋の風景に置いていくやり方(場所法)が向いています。